私たちは、いろいろな事をする時に、計画を立てます。けれども、その計画通りにいかないことがあります。そうするとがっかりしてしまいます。そんな時どうすればいいのでしょうか。
先月の、ファミリー礼拝のお話しを覚えていますか、ペルシャの王様キュロス王の許しをいただいて、とうとう、イスラエルの民が、エルサレムに帰って、エルサレム神殿の城壁を築き上げたお話しでした。 そして、今日は、これから、エルサレム神殿を築き上げるお話しです。 いよいよ、エルサレム神殿を建て直そうとしました。それは、神様に喜ばれることでしたが、計画通りにはいかなかったようです。いつたい、どうなってしまうのでしょう。
エズラ6:22(P731)
「そして七日間にわたって、喜び祝いつつ除酵祭を行った。主がアッシリアの王の心を彼らに向け、イスラエルの神の神殿を再建する工事を支援させて、彼らに喜びを与えられたからである。」
①
いよいよ、神殿の工事が始まりました。そのうわさを聞いて、サマリヤ人がやって来ました。そして、「私たちに神殿工事のお手伝いをさせて下さい。」と言いました。 何だか変です。実は、心から手伝いたいと思っていたのではなく、手伝うふりをして、工事の邪魔をしようとしていたのです。
ゼルバベルやヨシュアは、そのことを見破って、「私たちの神様の神殿ですから、この工事は心から神様を信じている人だけでやります。」とその申し出を断りました。 すると、サマリヤ人達は、いろいろな手を使って、この工事を邪魔しようとしました。人々を脅してやる気を失わさせたり、役人にこっそり贈り物を贈ってこの計画を宇土壊そうとしたり、イスラエル人の悪口を書いて王様に手紙を送ったりしたのです。 そのためにとうとう、神殿の工事は、中止になってしまいました。
②
神殿の建て直しを途中で止めたまま、18年も経ってしまいました。 そんな時、預言者ハガイとゼカリヤが、神様の御言葉をイスラエルの人たちに伝えて、励ましました。ハガイ1:8(P1479)「山に登り、木を切り出して、神殿を建てよ。わたしはそれを喜び、栄光を受けると/主は言われる。」 このような神様の励ましの言葉を聞いて、ゼルバベルやヨシュアは、元気になりました。そして「もう一度頑張ろう。」と言ってもう一度工事を始めたのです。預言者のハガイやゼカリヤも助けてくれました。
ところが、工事だいぶ進んだころ、ペルシャの役人達がやって来て、「あなたたちはだれの許可をもらってこんな工事をしているのか。」と聞きました。この役人たちは、工事を休んでいるうちに、王様が変わっていましたから、ペルシャ王キュロスがイスラエルの民に神殿を建てるようにと命じたことを知らなかったのです。
そこで、イスラエルの民はこう言いました。「私たちは天の神様の神殿を建てています。昔、先祖が罪を犯したせいで、私たちの国は、外国に占領され、神殿も破壊されてしまいました。しかし、ペルシャのキュロス王から、エルサレムにもう一度、神殿を建てていいという許可をいただいたのです。」
③
そこで、キュロス王に変わって王様になったダレイオス王は、昔の約束が書いている文書を調べました。 その結果、エルサレムの神殿を建て直すことは、ペルシャ王キュロスの命令であったことが分かったのです。そこで、ダリオス王も、神殿を建てる許可を出しました。
④
神様は、ペルシャの王様、キュロス王と、ダレイオス王という二人の王様を用いてくださって、エルサレムの神殿は、やっと完成しました。エルサレムに帰ってきたイスラエルの民はみんな、完成したエルサレム神殿で心からの礼拝をお献げしました。 この礼拝に加わったのは、イスラエルの民だけではありません。まことの神様を礼拝したいと願っていた外国人も加わって一緒に、心から喜んで、礼拝を献げたのです。
エズラ6:22(P731)
「そして七日間にわたって、喜び祝いつつ除酵祭を行った。主がアッシリアの王の心を彼らに向け、イスラエルの神の神殿を再建する工事を支援させて、彼らに喜びを与えられたからである。」
このエルサレム神殿完成の話しから、2つのことをお話ししたいと思います。
(1)試練を超えて現される神様の御業
エズラ5:5
「しかし、神の目がユダの長老たちの上に注がれていたので、彼らは建築を妨げることができず、その報告がダレイオスになされ、それに対する王の返書が送られてくるのを待った。」
エルサレム神殿を建てようとした時、いろいろな試練が襲ってきました。サマリヤ人は工事を、いろいろな方法で邪魔をして、18年も神殿を建てることが出来ませんでした。 そして、預言者のゼカリヤやハガイから神様からの御言葉を聞いて、力をいただいたイスラエルの民でしたが、ペルシャの預言者から、「だれの許可を受けて、この工事をしているのだ。」と言われてしまいました。
けれども、どんな試練が襲ってきても、神様の目は彼らの上に注がれていたのです。そして、いつも共にいて、守って下さったのです。 私たちにも、計画通りにいかないことや、神様の御心を行っているのに、試練に遭うようなことがあります。 しかし、神様の目は私たちにも注がれています。そして、私たちと共にいて、素晴らしい御業を成してくださるのです。
今から、20年ほど前のことです。 首都圏キリスト教大会で三浦綾子さんご夫妻が、講演をなさいました。1日目には、2000人もの人たちが集まり、多くの人達が信仰の決心をしたのです。 しかし、その夜のことです。大変な事が起きました。三浦綾子さんの泊まっているホテルに、「講演会をやめないなら、会場に爆弾をしかけてやる。」という脅迫電話があったのです。 三浦綾子さんの心は騒ぎました。しかし、「たとえ脅かされても、神様の働きはやめることは出来ない。」と考えた三浦さんご夫妻は、祈って大会の主催者に相談しました。そして、集会が守られるように、みんなで心を合わせて祈ったのです。 翌日も、会場には続々と、人々が集まってきました。座席は一杯になり、通路にも階段にも人が集まるほどでした。主催者が緊張して見守る中、三浦綾子さんご夫妻は、自分たちを導き、自分たちを守って下さった神様の恵みと愛をいつものように大胆に語りました。すると、その日も、多くの人達がイエス様を信じ、新しい人生を歩み始めたのです。そのようにして、2時間ほどの集会は、守られ無事に終わったのですが、その集会は、今までに感じたことのなかったような、神様の愛を感じ、主の素晴らしい御業が成されたのです。
エズラ5:5
「しかし、神の目がユダの長老たちの上に注がれていたので、彼らは建築を妨げることができず、その報告がダレイオスになされ、それに対する王の返書が送られてくるのを待った。」
私たちがどのような試練の中を歩むことがあっても、神様の目が私たちの上に注がれています。その神様を信頼して、素晴らしい御業を見せていただきましょう。
(2)エルサレム神殿完成の喜び
エルサレム神殿を建てる時、邪魔者が入って、18年も神殿を建てることが出来ませんでした。しかし、神様の約束は変わることがありませんでした。 もう一度、ハガイやゼカリヤという預言者を立ててくださって、御言葉をもって励ましてくださり、もう一度、イスラエルの民に希望と勇気を与えてくださって、ついに、キュロス王が命令を出してから、23年目に、エルサレム神殿が完成したのです。 イスラエルの民は、どんなに嬉しかったことでしょう。エルサレム神殿を完成してくださった神様に、心から感謝し、礼拝を献げました。
エズラ6:22(P731)
「そして七日間にわたって、喜び祝いつつ除酵祭を行った。主がアッシリアの王の心を彼らに向け、イスラエルの神の神殿を再建する工事を支援させて、彼らに喜びを与えられたからである。」
いろいろな困難がありましたが、神様は、人々を力づけ、必用な助けを与えて、ここまで導いてくださったのです。
昨日、川上さんが、気仙沼から帰って来られました。まだ、詳しいお話しはお聞きしていないのですが、遂に、気仙沼第一聖書バプテスト教会のチャペルが完成しました。 気仙沼の阿部さんの印刷会社にボランティアに行かれた方が、この中にも何人がいらっしゃると思いますが、前にもお話しをしたように、気仙沼第一聖書バプテスト教会は、津波によって、土台だけを残して全部流されてしまいました。 阿部さんの愛燐オフセット印刷会社も、津波の襲われましたが、建物が守られたので、その印刷会社の半分をチャペルにすることになりました。多くの方々のボランティアによって、泥出しや、瓦礫の撤去が行われ、材料も寄付され、大工さんによってチャペルが完成しました。 そのボランティアの中には、未信者の人もおられたそうですが、そこで、ボランティアをしている内に、救われる魂が起こされたそうです。 また、ご近所の方々に多くの物資が配られたりして、地域に仕えた結果、教会の礼拝に集う方々も起こされるようになったそうです。 先週は、川上さんが行かれ、ステンドグラスのガラスを教会員がみんなで一つ一つ組み合して完成し、今日、その気仙沼第一聖書バプテスト教会本郷チャペルの最初の礼拝が行われているそうです。
そのような辛い試練を乗り越えたからこそ、また、その中に働いておられる神様の愛を経験したからこそ、今日の礼拝は特別な、大きな喜びに満たされた礼拝が行われているに違いありません。
神様は、試練を通してでなければ、経験することの出来ない、大きな喜びを与えてくださるお方です。
神様の約束は変わることはありません。また、どんな時にも、神様の目は、私たちに注がれているのです。 どんなことがあっても、神様の愛は変わることはありません。また、神様は最善のことを成してくださるお方です。 私たちも、どんな試練の中でも、私たちに目を注いでくださる神様を信頼して、神様が成して下さる素晴らしい御業を見せていただきましょう。