「最も大いなるものは愛」Ⅰコリント13:4~13

「最も大いなるものは愛」Ⅰコリント13:4~13

 今日は、礼拝の後、結婚式が行われます。そこで、神様が与えて下さる素晴らしい愛についてメッセージを取り次ぎ代と思います。

 今日読んでいただいた聖書の箇所は、パウロがコリントの教会に書いた一通目の手紙ですが、この箇所は、聖書の中でも「愛の賛歌」と呼ばれる有名な聖書の箇所です。

 ハルナックという神学者が、このⅠコリント13章についてこう言っています。

「これは、パウロが書いた、最大、最強、最深の文字である。」

 今日は、聖書の中で一番大切な「愛」について御言葉から聞きたいと思います。

 

 今日の中心の御言葉は、13節です。

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」

 この御言葉を中心に3つの事をお話ししたいと思います。

 

(1)愛の源

  日本には、愛という言葉は、一つしかありませんが、ギリシャ語では、4つの愛という言葉があります。

 一つは、エロースの愛、これは、男女が愛する愛を表しています。

 2番目は、ストロゲーの愛で、親子の愛です。

 そして、3番目は、フィリアの愛で、友情を表す言葉です。どれも素晴らしい愛ですが、この3つの愛は、人間の愛で、残念ながら、不完全で、変わりやすいものです。

 しかし、聖書には、もう一つアガペーという言葉があります。これは、神の愛で、決して変わることのない永遠の愛です。

 このⅠコリント13章に書かれている御言葉は、神の愛、「アガペーの愛」で、私たち人間にはないということです。

 それは、この4~7節の愛という言葉に、自分の名前や、人の名前を入れてみると良く分かります。ちょっとやってみてください。

 「岡 摂也は忍耐強い。岡 摂也は情け深い。ねたまない岡 摂也は自慢せず、高ぶらない。・・・・」とても恥ずかしくて読んでいられなくなります。

  しかし、この愛という言葉に、イエス・キリストのお名前を入れて読んでみてください。

「イエス・キリストは忍耐強い。イエス・キリストは情け深い。ねたまない。イエス・キリストは自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

  こうして読んでみると、本当に自然ですし、アーメンその通りですという事が言えます。ということは、イエス様御自身の本質が愛であると言う事です。そして、イエス様私たちの愛の源です。このイエス様を信じて、心の中にお迎えする時に、私たちの心と生活の中にも、この愛が与えられるのです。

 

(2)神の愛は、私たちを通して輝く

 愛というのは、目に見えませんが、私たちの心の中で現されていくのです。それは、ちょうど光が、プリズムを通るのに似ています。太陽光線は無色透明ですが、これをプリズムにかけると、赤から紫までの本当にきれいな色が出ます。

 「愛」も本質的には目に見えるものではありませんが、私達の心というプリズムを通って、愛が、私たちの心と生活の中に目に見える形で現わされるのです。

  今日読んでいただいた聖書の4~7節には、愛が15の言葉で表されています。この一つ一つが愛の具体的な表れです。愛が私たちの心というプリズムを通って、15種類の美しい光りを輝かせているのです。

 まず、4節~7節までを読んでみましょう。

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

  一つ一つを説明する時間がありませんが、7節をもう一度ご覧下さい。

「すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

  ここに、「すべて」という言葉が4つ書かれています。この御言葉通りイエス様は、私たちの救いのためにあの十字架で「すべてを与え尽くして」私たちに対する愛の光りを明らかにしてくださったのです。

 私達の、内にはこのような愛の輝きはありません。しかし、イエス様は、そんな私達の罪のために十字架で命を捨ててくださるほど、私達の事を愛して下さっているのです。そのイエス様を信じて、その愛に満たされる時、私達もこのイエス・キリストの愛の輝きを、神様からの一方的な恵みによって輝かす事が出来るのです。

 ある牧師が「このコリントの信徒への手紙13章を、3回読んで反省して、熟考したい。」と言いました。

 「一度目は、この愛が自分の内にこのような愛があるかどうかを考えなさい。そして、二度目は、主がこの愛をもって私達を愛された事を想いなさい。そして、三度目は、信じる者に聖霊によってこの神の愛が注がれる事を信じなさい。」

 私達が、自分の内に愛がない事を認めて、悔い改めて、その愛を祈り求めるなら、神様は、私達をキリストの愛で満たしてくださり、ここに書かれている愛を行う者と変えてくださるのです。このキリストの愛に、一時一時満たされて、愛を行う者とさせていただきましょう。

 

 ヘレン・ケラー(1880~1966)のことは、みなさんご存じだと思います。彼女は、目が見えず、耳が聞こえず、口がきけない三重苦を背負いながらも、ハーバード大学を卒業し、講演と著述で、世界中の身体障害者のために働いたことで有名です。

 ヘレン・レラーは、そのような生涯を持っていましたから、両親から甘やかされて育ち、好き勝手に生活をしていました。

 そこへ、やって来たのが、サリバン先生でした。彼女はわがまま放題に生活をしているヘレン・ケラーを見て、このままではいけないと一人の人として、ヘレン・ケラーを親元から話して、教育をするのです。

 ヘレン・ケラーは、言葉を覚え、ナイフやフォークの持ち方などを覚え、どんどん成長していきましたが、サリバン先生は、一番大切な事を教えることができなかったのです。

 それは、神様の愛です。神様がヘレンのことをかけがえのない大切な人として愛しておられることを伝えようとしましたが、それをなかなか伝えることができなかったのです。

 ある日のことです。サリバン先生は、ヘレンの手を握ってお祈りをしました。「神様、ヘレンにどうしてもあなたの愛を伝えることができません。わたしを許してください。」と言って、涙を流したのです。

 その涙は、サリバン先生の目から流れて、ヘレンの手に落ちたのです。その時に、はじめて、ヘレンは、サリバン先生の愛を通して、神様の愛を知ったのです。

 彼女は、こう言っています。

「わたしには、絶望のどん底に陥り、くらやみがすべてを覆う時代があった。しかし、愛が来たことによって、わたしの魂は、自由にされた。」

4節~7節

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

 神様から愛をいただいて、私たちもここに書かれている愛を現す者とさせていただきましょう。

 

(3)最も大いなるもの

 この愛の賛歌の一番最初の12:31には、「そこで、わたしはあなたがたに最高の道を教えます。」  と書かれています。

 そして、この最後の13:13には「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」  と書かれています。

 ここには、永遠に残る大切なものが、3つ書かれています。

 一つは、イエス・キリストを信じる信仰です。そして、もう一つは、永遠の命への希望です。そして、もう一つは、イエス・キリストが十字架で明らかにしてくださった愛です。どれも大切なかけがえのないものですが、あえて、一番大切なものというならば、それは、愛であるというのです。

 神様は、みなさんをかけかえのない大切な存在として愛しておられます。しかも、私たちの救いのために十字架で命を捨てて下るほどに愛しておられるのです。その神様の愛に満たされて、幸せな人生を歩んでいただきたいと思います。

 1976年(昭和51年)10月29日山形県の酒田で、酒田大火と呼ばれる大火事がありました。その時に起こった一つの出来事をお話したいと思います。

 この酒田大火が起こる少し前に、一人の女性が花嫁として酒田にやってきました。その嫁ぎ先は3代続いた八百屋さんで、嫁がくるというので大変喜んで、新しい家具や新しい衣装もそろえました。そして、思い切って新しい家も新築したのです。

 ところが突然の酒田大火ですべてを失ってしまいました。2人は何かめぼしいものはないかと家の跡に行きました。ところが残念なことに、全部灰になってしまって何一つのこっていませんでした。思わず涙が流れたのですが、その時ふと祈っていなかったことに気がついたのです。そこで祈ろうということになったのですが、御主人はなかなか言葉が出ません。  こんな時男はずるいと思いますが、お前祈れと言うことになりました。 ところがその奥さんが大変恵まれていたのです。

 その時奥さんの心に一つの御言葉が心に浮かびました。Ⅰコリント13章13節「いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛とこの3つである。このうちで最も大いなるものは愛である」そして、こう祈りました。

「神様、私は新しい家も、家具も、衣装もすべて失いました。けれども、あなたに対する愛が変わらないことを感謝します。そして、私の夫に対する愛も変わらないことを感謝します。私は夫を愛します。私は夫に従います。」

 この祈りを聞いた御主人は大変喜んで、次の日にバラック小屋を建てて八百屋をはじめました。あまり2人がニコニコしているのでお客さんが、「あなたたちは、火事ですべてを失ったんでしょう。それなのに、なぜあなたたちは、そんなにニコニコしているのですか。」と聞かれます。最初は、すべてのものを失っても神様の愛は変わらないからと説明をしていたのですが、あんまり沢山の人に聞かれるのでとうとう自分の証を印刷して酒田全市に配ったというのです。それほどに神様に愛されているという事がすばらしいことなのです。

 

今日の中心の御言葉は、13節です。

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」

 愛は、すべてにまさる、最も大いなるものです。この愛を追い求めて、素晴らしい人生を歩ませていただきましょう。  


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Illustration by c-awase