クリスマスの行事が続いていますが、昨日は、ホサナで美畑の里という老人ホームに慰問に行ってきました。毎年楽しみに待っていてくださっていると伺いましたが、30人位のおじいさんや、おばあさんと、クリスマスをお祝いし、とても楽しい時を過ごしました。
早いもので、今日はアドベント第三主日です。来週は、もうクリスマスを迎えます。主の御降誕を待ち望んできた、その中のザカリヤとエリサベトという老夫婦の話です。
今日の中心の御言葉は、63節です。
「父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。」
イスラエルの民は、初めのうちは神様の約束を信じて熱心に救い主が来られるのを待っていましたが、時が経つにつれて、約束を忘れ、関心を失っていきました。また、律法学者やファリサイ人たちは、たくさんの細かい律法を定めて、それを守ることに一生懸命になっていました。
そこで、神様は、人々が救い主を受け入れやすいように、準備する人々を先に送られたのです。それが、バプテスマのヨハネです。
この、バプテスマのヨハネの誕生のために用いられたのが、ザカリヤとエリサベトという老夫婦です。
ザカリヤはエルサレムで働く祭司でした。そして、妻のエリサベトはモーセの兄である祭司アロンの子孫でした。このようにこの夫婦は、祭司の社会でも特別な名門の出身でしたが、この夫婦には一つの大きな悩みがありました。
7節をご覧下さい。
「しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。」
新約の世界では勿論そんなことはないのですが、当時のユダヤでは、不妊というのは、神の呪いを受けているから、子どもが授からないのだと考えられていました。また、祭司職は、当時は世襲制でしたので、子供が出来ないということは、ザカリヤ夫婦にとって大きな悩みであったに違いありません。
しかし、そのような大きな悩みをかかえながらも、ザカリヤは神様を信頼して、忠実に祭司の勤めに励んでいました。
今日は、このザカリヤとエリサベトの姿を通して、救い主をお迎えする3つの心備えをお話ししたいと思います。
(1)祈りをささげること
救い主をお迎えするために、一番大切なのは、祈りです。
ザカリヤも祈りの中で、神様の素晴らしい約束をいただきました。
ある日のことです。ザカリヤは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていました。その時に、祭司職のしきたりに従ってくじを引くと、ザカリヤに主の神殿の至聖所に入って香をたくという、大変光栄な務めを任せられることになったのです。
これは、一生の中で一度あるかないかの名誉ある務めです。
ザカリヤは、香をたくために一人で神殿の中に入りました。するとそこへ天使ガブリエルが香壇の右に立ってこう言ったのです。
13~17節をご覧下さい。
「 天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。 1:14 その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。 1:15 彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、 1:16 イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。 1:17 彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」
年を取ったザカリヤとエリサベトの間に、男の子が与えられるということも驚くべき事でしたが、それだけではなく、その子供が、救い主が来られる準備をするというのです。何という祝福でしょうか。
このザカリヤとエリサベトは、どうしてこのような素晴らしい祝福に与ることが出来たのでしょうか。それは、二人が神様を寄り頼んで、祈り続けたからではないでしょうか。ずっと祈り続けた祈りに神様は答えてくださったのです。
それに、この素晴らしい祝福の約束をいただいたのも、ザカリヤにとって特別な祈りの場所でした。
ザカリヤとエリサベトは、子供が生まれないという大きな問題を神様のもとに所に持っていきました。その祈りによって、素晴らしい祝福の約束をいただいたのです。
私たちにも、ザカリヤとエリサベトとは違いますが、いろいろな悩みや問題や課題があります。それを、主のもとに持っていくならば、神様は必ず最も良き時に、最も良き方法で答えてくださるのです。
ウガンダは1970年代、独裁政治を敷いたイディ・アミン大統領により、30万人以上が虐殺されました。教会は閉じられ、出入りができなくなりました。エイズもものすごい勢いで広がっていきました。
そのような中、ある老女が牧師に杖を向けながら「あなたの神は生きているのですか」と問いました。その言葉にチャレンジを受けた大勢のクリスチャンが、大統領の目を避け、森の中で祈り始めました。「私たちは神に出会うまで祈り続ける。もし死ぬとしても、求め続けて死んだ方が良い」と言って熱心な祈りが続けられたのです。
するとある時から、クリスチャンたちの上に、神様の臨在の雲が降りるようになりました。そして、ものすごい勢いで人が救われ、病がいやされ、社会が変わり始めたのです。2週間で7名の信徒が、2000名へと急成長した教会もありました。
さらに不思議なことが起き始めたのです。「1997年までには国民の3分の1がエイズで死ぬ」というWHO(世界保健機構)の予想は見事に外れて、何千人というエイズ患者がいやされ、HIV感染の減少を見た初めての国になったのです。犯罪率は50%低下し、アフリカの中で経済成長3位の国になりました。
1999年12月31日、21世紀を迎える時、大きなスタジアムでクリスチャンの集会が持たれました。その中でムセベニ大統領夫妻は、「これからの1000年間、ウガンダの国を、公式に神にささげる」という宣言をしたのです。
この国をも動かした聖霊の力は、森の中の小さな祈りから始まったのです。
私たちは、時にこの偉大なる神様の力を忘れ、大きなことをするには大きな何かが必要だからとあきらめてしまったりしてしまいがちです。しかし、小さな祈り、小さな行動から始めるなら、神様が御手を動かして、不可能なことを可能にしてくださるのです。
私たちも、ザカリヤとエリサベトのように、この一人の老女のように、忍耐強く祈り続け、主の御業を見せていただきましょう。
(2)不信仰を悔い改めること
18節をご覧下さい。
「そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」
ザカリヤは、それが「子供を与えてください」と長年祈ってきたのです。それなのに、天使ガブリエルに、その答えが与えられたにもかかわらず、そのことを信じることができませんでした。
そして、その不信仰のため、ザカリヤは一時的にものが言えなくなってしまったのです。
そのことが、20~22節に書かれています。
「あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」 1:21 民衆はザカリアを待っていた。そして、彼が聖所で手間取るのを、不思議に思っていた。1:22 ザカリアはやっと出て来たけれども、話すことができなかった。そこで、人々は彼が聖所で幻を見たのだと悟った。ザカリアは身振りで示すだけで、口が利けないままだった。」
ザカリヤは、このように不信仰のために口が利けなくなってしまいましたが、この時に、神様はどのような気持ちでおられたのでしょうか。ザカリヤがその不信仰を悔い改めて、神様に立ち帰ることを心から願っておられたのではないでしょうか。
先日、全国ケズィック・コンベンション懇談会が行われ、お茶の水クリスチャンセンターに行ってきました。そこで、たまたま、ビリーグラハムの写真展示会が行われていました。
ビリーグラハムというと、二〇世紀最大の伝道者です。そのビリーグラハムも、不信仰と戦ったのです。ビリー・グラハムは30歳になった時、多くの人々を主のもとに導く世界的なリバイバリストになりました。
そんなある日、サタンは本当に巧妙に、彼を誘惑にやって来たのです。その誘惑を受けた時、彼の心の中に疑いが生じました。
「聖書は本当に神様のことばなのか?聖書を完全に信じることができるだろうか?」と考えるようになったのです。
すると彼の心はひどく動揺し、未来に対する大きな不安に襲われました。世界的な伝道者であるにもかかわらず、聖書を疑い始めたからです。
それで一冊の聖書を持ってカルフォルニアの山の中に入って行って、神様の御前にひざまずいて聖書を読み、黙想しました。そこで、「神様、聖書を信じれるようにしてください!」と熱心に祈ったのです。
ビリー・グラハムが聖霊の助けによって一日中祈っていると、心の中にこのような確信が生れて、自然に口から大声が出てきたのです。
「私はどうなっても聖書は神様のことばであることを信じます!主よ、私は聖書を、ただ信仰によって神様のことばとして受け入れます!」と。
こうして彼は自分の中で起きた霊的な戦いに打ち勝ち、その時から確信をもって聖書の上に立って信仰生活をし、再び、世界中で説教することができるようになったのです。
敵である悪魔は私たちに疑いをもたらし、私たちを大きく揺れ動かし、信仰から落とそうとします。その時、聖書のみことばを読み、また聞き、黙想してください。私たちは、自分の力ではサタンの誘惑に勝つことは出来ませんが、御言葉によって、しっかりと信仰により立つことができるのです。
ビリー・グラハムがサタンから攻撃を受けたように、日々、私たちにも妨げがあります。しかし、主の御言葉を黙想し従うならば、信仰が与えられるのです!
不信仰のために、口が利けなくなってしまったザカリヤでしたが、彼は、その後、天使を通して語られた御言葉を、ずっと黙想し続け、自分の不信仰を悔い改めたのです。
神様は憐れみ深いお方です。そのような、ザカリヤの悔い改めを受け入れられたのです。その証拠に、年取ったエリサベトは天使の言葉通り、妊娠をし祈りがかなえられたのです。24節以下にをご覧ください。
「その後、妻エリサベトは身ごもって、五か月の間身を隠していた。そして、こう言った。1:25 「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」
神様は、私たちが不信仰であったとしても、悔い改めるなら、必ず祈りに答えてくださるお方なのです。
どうでしょうか。私たちの心の中に、ザカリヤのような不信仰がないでしょうか。もし、そのような不信仰が示されるならば、神様は、その不信仰を悔い改めましょう。そして、この神様に心から信頼して従っていきましょう。
(3)主の御言葉を黙想し従うこと
天使ガブリエルが語った約束は、ついに実現しました。そのことが、57節以下に書かれています。
エリサベトは、月が満ちて男の子を生みました。すると、近所の人々や親類が集まってきて、「主が大いに慈しまれた」と聞いて喜び合いました。
それから、8日経った時、その子に名前をつけることになりました。周りの人達は、当時は、生まれてきた子供に、父親や親戚の名前をつけるのが慣習でしたから、父親と同じ、ザカリヤという名前にしたらいいと言いました。
ところが、エリサベトはこう言います。
60節をご覧下さい。
「ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。」
すると周りにいた人々は「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」 と言って反対をしました。そこで、口の利けないザカリヤに聞くと、ザカリヤは字を書く板を出させて 「この子の名はヨハネ」 と書いたので人々は大変驚きました。
62~63節にはこう書かれています。
「父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。」
どうして、エリサベトもザカリヤも、自分の名前をつけないで、「この子の名はヨハネ」とつけたのでしょうか。
それは、神様が天使を通して、語られた名前だったからです。
13節をご覧ください。
「天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。」
ゼカリヤも、それを聞いたエリサベトも、10ヶ月経ったその時も、主の言葉を忘れることはありませんでした。そして、その御言葉に忠実に従ったのです。主の御言葉に従う人を神様は必ず祝福してくださいます。ヨハネという名前は「主は恵み深い」という意味です。ザカリヤとエリサベトは、御言葉に従って「ヨハネ」「主は恵み深い」お方であることを、身をもって証したのです。
今日は、衆議院選挙が行われます。神様を畏れ、神様の御心を行う人が、選ばれるように祈りましょう。
19世紀、イギリスが世界を導く国となったのは、63年間王としてイギリスを治めたヴィクトリア女王の指導力によるものでした。
ウイリアム4世が亡くなり、ヴィクトリア女王は18歳で王位に就きます。
18歳と言うと、高校卒業くらいです。高校卒業したばかりの子が、一国の舵取りをすることができるでしょうか?自分の責任の重さを考えると、まず恐れでブルブル震えてしまうのではないでしょうか?彼女はどうしたのでしょう?
自分が王になったと聞くやいなや、すぐにひざまずいて聖書を開きました。そしてそれ以降、彼女のふところから聖書が少しも離れたことがありませんでした。ヴィクトリア女王は、いつもこのように祈りました。
「主よ、いつも神様のみことば通りに政治をすることができるようにしてください!」
そして全てのことを聖書の言葉の中から探し、解決し、祈って政治を行いました。
あるとき、インドの王子の一人が女王に、「良い政治をする秘訣は何んですか。」と聞きました。
すると女王は「まさにこれです」と言いながら、聖書を広げて見せたのです。
人生において成功する秘訣は何でしょうか?間違うことのない人生の指針を持つことです。それが聖書です。イギリス帝国という国を動かすヴィクトリア女王も、聖書が教える言葉を通して国を治め、歴史上最大の帝国を作り上げたのです。
私たちにとって、宝の中の宝は聖書です。この聖書に従っていく人は、必ず繁栄するのです。
ザカリヤもエリサベトは、わが子の名前をつける時にも、神様が天使を通して語られたことを大切にしました。そして、「この子の名はヨハネ」と板に書いたのです。その時に、ヨハネは口が開き、舌がほどけ、神を賛美しはじめたのです。
そればかりではありません。神様は、その子ヨハネを用いて大いなる御業を進められたのです。成人したヨハネは、バプテスマのヨハネと呼ばれるようになり、たくさんの人々を救いに導き、救い主イエス様を紹介しました。
ルカ7:28をご覧ください。
「言っておくが、およそ女から生まれた者のうち、ヨハネより偉大な者はいない。しかし、神の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。」
ここで、イエス様は、このヨハネのことを、人々の中で最も優れたものと紹介しています。神様は、ザカリヤとエリサベトは、バプテスマのヨハネを通して、素晴らしい祝福を与えらたのです。
このようにして、神様はザカリヤたちを用いて、救い主をお送りになる準備を整えられたのです。
最後に、63節をお読みしましょう。
「父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。」
私たちも、クリスマスを迎えようとしていますが、ザカリヤのようにとりなしの祈りをし、信仰を強めていただき、聖書の御言葉に従って、「主は恵み深い」お方であることを証しましょう。
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